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一昔前に、東芝のサービスについてインターネット上で問題になっていました。 東芝の製品を購入した人(会社員)が、製品の欠陥について東芝のお客様サービス窓口で相談した ところ各部門を転々とたらい回しにされて、最後に暴言を吐かれた、という事らしいのです。 各部門をたらい回しにされたらもう駄目でしょうね。 そのやり取りの一部を録音して、その会社員がインターネット上で音声で流した。あっと言う間に、 300万に以上のアクセスがあったらしい。 この問題が発生したとき、東芝の関係者で古くからの友人から「同じような問題が北米で起きたらどう対処するのか教えて欲しい」 と問い合わせがありました。 インターネットが進んでいる北米でも、こんなケースは聞いたことがありません。だいたい、 そのホームページに300万件のアクセスが短期間にあるなど、驚きましたよ。日頃から同じような処遇を受けて不満を持っている 日本人がこんなに沢山いると言う事でしょうね。 「このケースの対処法は残念ながらありません。対処法をあえてあげるならこんな問題が起きないように未然に 防ぐ方法を考えることでしょう。」 と、とりあえず回答しました。 その後、東芝側はそのインターネットのホームページの掲載中止の仮処分を裁判所に訴えたようです。 しかし、この訴えもインターネットの内容が虚偽であれば別ですが真実であったら、言論表現の自由は守もられるはずの憲法 に触れることになりませんか。裁判所と言えども言論の自由を侵害するような処分決定はできないでしょう。 結局、東芝側がこの訴えを取り下げて、お客様に謝罪し関係者の処分をする事でこのケースは、落着いたようです。 いままで、企業と消費者の対立、このようなケースは無数にあったでしょう。マスコミュニケーションの道具として インターネットがない時代には消費者は、新聞、雑誌、TVなどのマスコミを通じて苦情を訴えるしかなかったんですよ。 といっても、新聞、雑誌、TVのマスコミは一見中立公正を装っていますが主な存立財源は企業からの広告代で 成り立っている事を考えてみると、如何に消費者が正しくとも消費者の苦情など取り上げるわけがない。 そんな事も知らないでマスコミに一生懸命手紙を書き、挙げ句は「なしの礫」で無視され、 いわゆる泣き寝入りのコースを辿った人たちが沢山いたと言う事が今回の件でも分かります。 その意味では、インターネットの出現は、この不公平感を無くす優れた道具の出現ですね。 いままで市民や消費者を甘く見ていた役所や企業にとっては脅威となる道具になりましたよ。 この事件が起きるもう一つの背景は、日本には本当の意味で、弱者を救済するた裁判制度がないことですね。 このケースでも北米並みの裁判制度が日本にあれば、インターネットまで進展しなかったでしょう。 日本では、たとえ一審、二審で市民、消費者が勝っても最高裁で負けるケースが圧倒的に多いのです。 ある調査によると行政訴訟の97%は、市民の敗訴である、と報告されています。 長く時間と金がかかる裁判制度は、企業や役所に有利であるばかりか、法務省が事実上人事権を握っている 最高裁判事の任命制度が行政に有利な判決を導き、弱いものには不利に、強いものが有利になる 弱肉強食の世界を見事にサポートしています。 最近、私がカナダで同じようなケースにであったときの展開と比較してみると分かるでしょう。 2年ほど前に、モントリオールでパソコンの部品、NECのハードディスクを購入しました。 日本で使う事もあるのでわざわざ日本製を買ったのですが、日本に持っていって使う間もなく故障しました。 無償保証期間中だったので、NECに修理をお願いしたが外国で購入したものは、修理しないと断れました。 仕方がないから有料で修理を依頼しました。ところが、有料修理もしないというのです。 買った国へ持ち帰って修理するように指示されました。 モントリオールに戻って、購入した店に持っていくと日本製の場合は、日本に送り返して 修理するので早くとも3ヶ月から6ヶ月修理にかかるといいます。 それでも、3ヶ月、6ヶ月経っても一向に修理から戻ってくる気配がないのです。そこで、NECカナダのトロント本社に電話 してみました。そのときも、電話を転々と回され、最後にボストン近くのNEC子会社から電話で、ハードディスクの故障は 修理しないで同等品と交換する事が分かりました。そこで、同等品と交換を申し入れると、「それは、NECと販売店との契約 で決まるから購入者から直接申し込まれても交換はできない。」 と断られました。 ここまで、日本の商習慣に馴れてきた日本人が読むとどこもおかしくないと思うでしょう。が、北米では、 保証は製造者と購入者との直接契約となります。(日本でもそのはずです。)故障すると直接購入者が製造者に 商品を送り、 修理交換するのが普通です。保証期間が、5年、10年、無期限保証のものがあり、仮に販売店がその間、倒産、 廃業しても製造者が保証する事になっています。たとえば、私が今使っているKOSSのヘッドホンなどは、 ライフタイム・ギャランティーといって無期限の保証付きです。販売店がどこだったか関係ありません。 3ヶ月前に、5年前に買ったパソコンの別の部品が故障しました。保証書を広げて見ると保証期間5年とあります。 購入した時のレシートを見ると5年にあと数週間ある。レシートと故障部品をアメリカの製造業者(ZOOM)に送り返したら、 すぐに新品を送ってきました。これが、北米の商習慣なのです。アメリカの業者が日本の業者より正直、良心的 だと早合点していはいけません。 もし約束を履行しないと消費者から訴訟を起こされ、結果、その方が高くつくからです。 NECは北米でビジネスをしながらこの習慣を全く知らなかったのでしょうか。 知ってはいるが、故障があまりに多いので販売店を口実に修理、交換を拒絶していたのかもしれません。 このケースは、当然訴訟に持ち込みました。その結論が2ヶ月前にでました。当方の全面勝訴です。 販売店(製造者)が全損害額を金利を含め支払うことで決着しました。 この例からも分かるように、北米の訴訟制度を批判する人もいますが、弱者には裁判制度が最後の拠り所になります。 この駆け込み寺が、日本にはないために(実はあるのですが機能していないのです)例の会社員はインターネット上で訴える ことになったのでしょう。もし、この制度が日本にあったら東芝は謝罪だけでなく相当の賠償金を払わされていたかも知れません。 日本では、インターネットがしばらく弱きものを助ける新しい道具になるのではないでしょうか。 (余談ですが、訴訟で勝利して払ってもらった賠償金(?)で、シーゲート(Seagate)米国製のハードディスクを買いました。 今度は5年間保証でインターネットで製造番号を打ち込みユーザー登録をしました。この登録システムも早く日本でも取り 入れて欲しいですね。 この保証期間中、故障すればいつでもメーカに送り返せば修理、交換してくれる筈です。 たとえメーカーに拒絶されても安心です。訴訟制度がこんなにリラックスした気分にしてくれるとは知りませんでした。 そのハードディスクは故障もなく活躍しています。)(S.B モントリオール)
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